引越しに伴って電力や電圧、ワット数などの違いを把握する

 

引越しする際にアンペアやヘルツ、ボルトやワット数などを気を付ける必要はありますか?


 

 

端的に言うと、

  • A(アンペア):引越し元と引越し先の総アンペア数が異なる場合はブレーカーの交換が必要です。
  • Hz(ヘルツ):関東から関西に引越す場合、又はその逆の場合にヘルツ数が異なると利用できない家電があります。
  • V(ボルト):ボルト数は100ボルト以外の家電を使う場合には、コンセントの交換が必要です。
  • kWh(キロワット):ワット数は家電を使う場合の電力量を指しますので引越し時には特に関係ありません。

少しややこしいのですが、下記で詳しく記載しますのでご参考下さい。


 

 

総アンペア数が低いとブレーカーが落ちるので注意。

 

旧居先より新居先の方が総アンペア数が低い。だけど同じ家電を同じように使うと、ブレーカーが落ちます。

 

 

例えば、旧居での総アンペア数が40アンペア、新居で契約する総アンペア数が30アンペアだった場合
30アンペアを超えるとブレーカーが落ちてしまうという事になります。


 

アンペアとは電力の強さを表す単位であり、総アンペア数はエアコンやテレビなど、その他の家電も含めて合計の使用量を計算していきます。

 

 

アンペア数を計算する方法は、定格消費電力(W)÷電圧(V)=アンペア数になります。
家電に貼られているシールを見て計算する方法はこちら

 

引越したら良くブレーカーが落ちるようになった場合の対処法としては、新居先の電力会社にブレーカーの交換を申し出れば問題ありません。

 

(分電盤(ブレーカー)の交換だけであれば、基本的に無料で工事をしてくれます。)

 

 

ただし、総アンペア数を増やすと、電気代の基本料金も上昇します。

 

一例として東京電力の場合には、30アンペアの基本料金は月額842円ですが、40アンペアに上げると月額1,123円になります。

 

 

関東から関西への引越しはヘルツ(周波数)の違いで使えない家電もある

 

次にHz(ヘルツ:周波数)に関する問題ですが、日本国内では静岡県と富山県を境にして、東日本が50Hz、西日本が60Hzと分かれています。

 

50Hzと60Hzの地域の境目

 

 

例えば、北海道から沖縄に引っ越す場合には、50Hzから60Hzに変化するため、Hz交換が必要となる家電があります。

 

一般的に使えない家電

  • 電子レンジ
  • 照明器具
  • 洗濯機

 

電子レンジは最近ヘルツフリータイプが出ていますので、家電シールには50/60Hzと記載されていないかご確認下さい。

 

その他の家電も50/60Hzと記載されていれば周波数が異なってもご利用可能です。


 

仮に、周波数が異なる家電を使うと、家電本来の力を発揮できない又は故障の原因になります。

 

対処法としては、

  • 周波数の合った家電に買い替えるもしくは、
  • 周波数交換機を使用する

のどちらかになります。

 

買い替えや交換機は費用が高額になる為、分からない場合や不安な場合はお近くの電気屋さんもしくはメーカーにお尋ねすることお勧めします。

 

 

家電が100V以外なら、電気工事からコンセントの交換が必要

 

ボルト数に関しては一般の家庭向けに販売されている冷蔵庫の電圧は100Vであり、家庭内でよく見かける2つ穴タイプのコンセントにのみ対応しています。

 

 

仮に、海外製の冷蔵庫を使う場合は注意が必要です。

  • 製品に100V〜240Vと表記がある場合:コンセントプラグの交換が必要です。
  • 製品に220V〜240Vなど100Vの表記が無い場合:変圧器が必要です。(5,000円〜20,000円程度)

 

また、12畳用以上のエアコンからは200Vタイプがあるので、引越し先で同じエアコンを使う場合も注意して下さい。

 

 

エアコン用のコンセントが100Vしかない場合は200Vへの工事が必要になります。


 

特に費用が高額になるケースが、新居先に3本の電線が引き込まれていない場合です。

 

単相3線式のブレーカー内部

 

画像のように赤・白・黒の3本の線が来ている場合は、コンセントの交換のみで、費用は6,000円〜10000円程度

 

赤と白の線2本しか着ていない場合は、単相2線式となり、ブレーカーと電線引き込み工事が必要になり10万〜15万程度

 

 

無理に電気工事をするよりも、新居先に併せてエアコンの買い替えを検討しましょう。


 

ワット数は消費電力なので電気代が計算できる

 

ワット数に関しては、家電の電力消費量を表す値なので引越しでは関係がありません。

 

 

一例として、冷蔵庫の電気代は、ワット数(kWh)を見ることで簡単に計算することが可能です。

 

 

もし、年間消費電力が300kWhの冷蔵庫の場合、300kWh×1kWhあたりの電気料金=年間の電気代ということになります。

 

お使いの電力会社の1kWhあたりの電気代が26円という場合には、300kWh×26円で7,800円が年間の電気代の目安になります。

 

近年では冷蔵庫の省エネ化が加速しており、10年前の旧型製品と比較して、新型製品が消費するワット数は半分以下にまで抑えられることが多くなりました。

 

 

現在の年間消費電力が600kWhの冷蔵庫から300kWhの冷蔵庫に買い替えるだけで年間7,800円、月額に換算して650円もの節約に繋げることができるのです。

 

まとめ

上記をかんたんにまとめますと、

 

A(アンペア)引越し先の総アンペア数が旧居先よりも少なく同じ家電を同時に使う場合は、電力会社にてアンペア数を変更しないとブレーカーが落ちます。

 

 

Hz(ヘルツ)ヘルツ数(周波数)は、富山県と静岡県の県境を超えて引越す場合に、

  • 電子レンジ
  • 蛍光灯
  • 洗濯機

を持ち込む場合は、ヘルツフリー50/60Hzと表記されているか確認が必要です。もし、記載が無い場合は、買い替えや周波数交換機が必要になります。

 

 

V(ボルト)ボルト数は国内使用だと100Vのため、

  • 海外製の家電は、変圧器が必要
  • エアコンも同様に200V使用だとコンセントプラグや電線の引き込み工事が必要

になる場合があります。

 

kWh(キロワット)ワット数は消費電力のため、数値が少ない方が電気代が安く済むだけの事なので、引越しとは関係がありません。

 

 

冷蔵庫だけでなく他の家電を利用する場合でも参考にして下さい。